Q & A:
Q1. 誓約文や趣意書の文面を変更する可能性は今後あるのか。もし変更するならどのようなプロセスをとるのか。また運営委員のメンバーが変わることで異なる目的の為に使われる(悪用される)ことはないのか。
A1. コメント-誓約文の変更は、基本的により制限の少ない方向に変更されてきていますので、オリジナルの文
章に賛同
した方は、まず問題なく賛同して下さっています。今回8月に発表して以来の変更は結局ありませんでしたので、現在発表されている文案で誓約をやめたいと
言ってきた人はいません。
次に、誓約に一度サインしても、個人の約束ですので、原則的にはいつ撤回しても構いません。ただし、その場合はPPJに誓約書のサインを撤回する旨連絡を
してもらうことになっています。趣意書に明確に書いていませんが、Q&Aの項目には一応書いてあります。ただ「それなら意味がないじゃないか」と
いう批判もありますが、あくまでも個人の趣旨を大事にする運動ですので、義務は負いません。自分で考えて判断していただくことが最も大事、と言う考え方で
す。おそらく、撤回されるまでにいろいろ考えたうえで決定されるのでしょうから、誓約をされる前とは大きく異なると思います(バリヤーは高くなっていると
思います)。
将来の誓約文の変更は、現在全く考えていませんが、ありうるとすれば、プロセスとしては運営委員会の承諾がまず必要と考えます。もちろん署名していただい
た方に、全員お知らせして、その理由も説明いたします。また、今回と同様、変更の理由も掲載してホームページで意見を募ります。なお、私たちがいなくなっ
て、他の方が運動を別の趣旨で行う場合でも、趣意書や誓約文の変更だけは勝手にできないようにしておかなければいけません。以上の点はルールとしてどこか
に明記するようにします。また、私達を知っている人は問題なくとも、そうでない人は、あなたのような疑問を常に持っていると思います。そう言った意味で、
趣旨賛同者のリストをできる限り公表し、運営委員会のメンバーを広げていく事で、運動の社会的信頼性を高めていきたいと思います。
誓約にサインすることは、特定の文章にコミットする以上に、自分自身に対して、平和にコミットする、という意味の方が大きいと考えて下さい。サインをして、カードを携帯し始めると、その意味がわかると思います。(鈴木達治郎)
Q2. 誓約運動とは何か。核兵器反対署名や科学者非核化声明などとどこが違うのか。全ての科学者の署名を目標とするのか。特定の署名者数を目標とするのか。
A2. 誓約運動とは、趣旨に賛同し、自らの意志で、自分の行動について誓いを立てるもので、他人の主催する運 動や声明 への賛成/反対の意思表示を行う署名活動や声明運動とは、本質的に異なります。核兵器反対署名運動に署名することは、意思表示ではあっても自らの行動につ いてコミットすることとは異なります。誓約は、そう言った意味で、個人にとってはより重い意味を持つと考えられます。そう言った誓約に署名する科学者の輪 を広げることが、誓約運動の目標です。したがって、究極的には世界中の科学者が誓約に署名することを希望しますが、特定の数を目標とするわけではありませ ん。
Q3. 誓約に署名することは、どれだけ拘束力を持つのか。どのような状況になっても、永久に誓約に違反することはできないのか。
A3. 誓約は自分に対する約束であり、それを守るのも捨てるのも自らの意思で決めるものです。そういう意味で は、裁判で誓約するような法的拘束力はありません。状況が変われば、誓約運動から脱退することはもちろん可能です。ただし、その場合は必ず私たちの方に連 絡していただくことになります。
Q4. 国際条約や国内法規制があるのに、どうして個人で誓約する必要があるのか。
A4. 国際条約や国内法規制、さらには組織単位の内規など、核拡散防止に対する規定は確かに数多く存在しま す。しかし、そういった規定を個人レベルで考え、みずからに誓約を行うことは、また別の意味を持ちます。組織や国家の規定がどう変わろうと、最後は個人の 意志が砦になります。できるだけ多くの方が署名することが、国家や組織の枠を超えて、平和へのコミットメントを強く表明することになるのです。
Q5. なぜ今このような運動を行う必要があるのか。
A5. 上記と関連しますが、国際条約や国内法などが、国際情勢とともに、大きく変化しつつあります。核不拡散 条約は無期限延長となりましたが、包括核実験禁止条約は、いまだに発効するかどうか不明です。さらに、中東、南アジア、北東アジアにおいては、国際核不拡 散体制に参加していない国、参加していても疑惑のある国が存在します。また、被爆体験を持つ世代から、戦争体験のない世代にむけて主役が代わろうとしてい る今、核問題をみずからの問題として考え、意思表示を行うことが、重要になってくると思います。
Q6. この署名活動の成功・失敗をどう評価するのか。署名者数が少ないと、かえってそれぞれの国で核武装の動きがあるのではないか、という疑惑を生むのではないか。いつまで、どのような形で行っていくのか。
A6. まずは、署名者数の着実な増加が大きな目標となります。科学者・技術者の何パーセントが署名したか、と いう目標を立てると、その比率があまりにも低いとかえって疑惑を増長することにつながりかねません。私たちの目標は、あくまでも各科学者・技術者の個人と しての自覚と責任の醸成が最大の狙いですので、それぞれの意見の違いがどのように変わっていくか、そしてこの運動に賛同する科学者の数が着実に増えていく ことが成功・失敗の大きな評価となると思います。また、国際的な活動の輪の広がりも、大きな目標となります。定期的に、意見交換の場として、公開シンポジ ウムやワークショップを開催したり、さまざまな意見を分析して発表したりしていきたいと考えています。
Q7. 署名は科学者だけを対象としているのか。社会科学者・一般の市民はどうか。誓約は核ならびに大量破壊兵器を対象としているが、通常兵器については考えなくても良いのか。
A7. もちろん、できるだけ多数の方に署名していただきたいと思います。核兵器や大量破壊兵器だけではなく、 通常兵器についても、考えていただきたいと思います。ただ、今回の運動は、発起人の研究分野である、まず核兵器を中心に考え、徐々に対象を拡大していけれ ばと考えています。大量破壊兵器、特に核兵器のもつ非人道的な面をまず考えたいと思います。そう言った中で、社会科学者や一般市民が直接核兵器や大量破壊 兵器の活動に参加する可能性も当然あるわけですが、科学者の果たす役割というものを、まず優先して考えたいというのが運動の趣旨であります。
Q8. 個人で核兵器の活動に参加しない、というだけでは、核軍縮、究極的な核廃絶に向けて不十分ではないか。
A8. 核軍縮、究極的な核廃絶については、さまざまな意見があり、この問題も各自でまず考えていただき、その 対話を促進することが重要ではないかと思いました。まず合意できる範囲で署名していただくことにより、できるだけ多くの方が、この運動に参加していただく ほうが価値が高いと考えています。
Q9. 原子力民生利用について、推進、反対のどちらの立場を取らない、というのはなぜか。
A9. 原子力民生利用とこの誓約運動の関係については、推進・反対両方から、その影響について懸念が表されて います。特に、プルトニウム利用について、意見が大きく分かれているのが現実です。本運動では、まず合意できる範囲でできる限り多くの方が署名していただ くこと、さらに意見の異なるかたがたの対話を促進することも大きな目的としていますので、あえて運動自体の立場をとらない旨を明記しています。
Q10. 署名しないということは、核武装に賛成するということなのか。核抑止力の価値を見出している人は署名できないのか。
A10. そんな事はありません。誓約の持つ意味に疑問を持つ人、趣意書の一部に賛同できない人など、さまざまだと思います。できれば、署名できないかたがたの理由を明らかにしていただき、その中で核問題や原子力問題に付いての対話を促進することが、大きな目的の一つです。
Q11. なぜ匿名にするのか。署名活動に匿名性はありえないのではないか。透明性向上の精神にも背くのではないか。
A11. 上記の理由にも関係するのですが、この運動によって、署名する・しないの選択によって、その人の人権 や仕事上の差別がおきてはならないと考えています。それぞれの立場を尊敬しつつ、平和を実現するという共通目的に向かって、お互いの共通項を見出していく ことも、この運動の大きな目的の一つです。そのために、原則匿名を考えています。また、街頭署名運動などと異なり、自分自身に向かって誓いを立てる、とい う個人の意志を確認する運動ですので、あえて名前を公表する必要もないと考えました。ただ、透明性の向上という意味で、署名者数の公表、さまざまな意見の 公開討論、定期的な活動報告などはもちろん公開いたします。
Q12. 科学者でないものは署名できないのですか。科学者の定義は何ですか。核不拡散だけの運動では範囲が限られているのでは。もっと幅広い運動にすれば。
A12. ここで言う科学者の定義として、「核兵器並びに大量破壊兵器関連活動に、貢献しうる知識と技能を有し ている者、およびこれからそのような知識/技能を獲得しようとしている者全て」を含めることにします。英語で Scientistは、日本の科学者よりも広い定義ですので、日本でも工学者、技師、社会科学者(経済、経営、法律、政治など)、教師等も含まれることに なります。趣旨に賛同してくださる方で、サインの対象にならないと思われる方には、賛同会員として活動を支援して下さることをお願いいたします。 核兵器 と大量破壊兵器に絞った最大の理由は、発起人2人の専門分野であること、倫理や環境問題では、署名も増えるが、この問題を直接考えるきっかけにならない可 能性があること、またそのような運動は既に米国に存在すること、等があげられます。大量破壊兵器の持つ脅威については、軍事問題専門家が考えること、とい う意識からの脱却も狙いの一つです。
Q13. 「透明性の向上」とはどういう意味ですか。
A13. 透明性の向上とは、国際政治では国家の活動をできる限り外(外国、組織も含む)から見えるようにする ことで、具体策としては、情報公開、意思決定プロセスのオープン化、人間交流の促進、施設への受け入れ促進、などがあげられます。要は、国際規制で決めら れている以上に、積極的に自らの行動を明らかにしていくことです。たとえば、最近合意に達した、プルトニウム国際ガイドラインは、毎年自国内にあるプルト ニウム在庫量を公表することを決めました。技術面では、リモートモニタリングという技術により、インターネット上で、核施設を誰でもが観察できるシステム も開発されています。この誓約運動では、個人レベルの考えがより明らかに成るという意味で、透明性の向上に貢献できると考えています。
Q14. 大量破壊兵器が利用されたときの影響、その回復のための技術、等も研究する必要があるのではないか。
A14. まず、利用されないような技術開発に優先順位が置かれるべきであることは、賛成していただけると思い ます。ただし、いま大きな課題となっているのは、排気が決定した大量破壊兵器の解体、処分の問題です。また、不要となった製造施設の解体、除染も大きな課 題です。利用された後の研究で有名なのは、「核の冬」研究(天体、地球物理、気象、衛生学者がおこなった)が有名です。軍事部門では、常に被害を想定しな がら、兵器を開発していますので、ある意味では、御指摘のような研究を行いつつ開発をしているといってもよいかもしれません。ただ、それらは余り公開され ることはないので、そのような研究を公開で行うことも重要だと思います。