皆様の意見に対するコメント:

反対意見 - 日本が非核宣言しても、感情論で訴えても平和は来ない。国際政治は力の戦いであり、核兵器国はこのような運動をなんとも思わない。交渉力をつけるためにも、平和を確立するためにも、日本も核武装を考えるべきではないか。 

コメント - まず、誓約運動は、これまでの「被爆国民からの願い」や「平和宣言」等とは根本的に質が異なります。前者が他国(他者)に訴える政治アピールであるのに対 し、誓約運動は個人が自らの行動を律するところから始まる運動であることです。誓約運動は、原則的には国の活動に直接影響を与えるわけではありません。国 際政治の力学にも直接影響力を与えることはないでしょう。しかし、個人の意識には大きな影響を与えます。その意識は、国境を越えて伝えることができます (既に、韓国、中国、米国、英国、イタリアなどから賛同者のコメントが届いています)。核兵器国でも、この誓約に署名する科学者が増えていけば、どうなる でしょうか。核5大国はもちろん、インド、パキスタン、イラク、北朝鮮の科学者が賛同して、署名するようになれば。。。。
 大量破壊兵器を 持ったほうが国際政治の安定化につながる、と言う学説も確かにありますし、現に核抑止力は、国際政治の現実として否定できない部分があるでしょう。日本の 核武装の可能性について、核の傘のもつ意味について、安全保障の現実/理論から真剣に議論することも必要です。しかし、私たちは、そのような現実を直視し つつ、まず個人レベルでできるところから大量破壊兵器のこれ以上の拡散、利用に歯止めを掛けていきたい、と考えています。そのためには、この問題を、「国 際政治や国家間の問題」だけととらえるのではなく、自らの問題として考えていただくことが、誓約運動の最大の狙いです。
 なお、核抑止論、核の傘のもつ意味、非核地帯化構想などについての情報も、ホームページに徐々に掲載していく予定ですので、もう少しお待ち下さい。この問題で、もっと議論を広めていくことも、誓約運動の大きな狙いです。(鈴木達治郎) 

反対意見 - 誓約運動は日本の文化に合わない。暗黙の了解という日本の文化をもっと大事にすべきだ。誓約しなければわからないほど、日本の非核へのコミットメントは弱くないはず。核活動に参加しないのは日本人として当然である。誓約する必要などナイ。 

コメント - 個人の意志よりも、社会(組織)全体の調和や秩序を優先する日本文化と、誓約運動はなじまない、という御指摘は最初からありました。日本の文化に合った署 名活動とするためには、トップダウンの方が望ましい、という意見も強くありました。でも、私たちはその文化の下で、あえて個人の誓約運動を開始することに しました。それは、まず社会/組織文化が、民主主義の発展に障害となっているのではないか、太平洋戦争への突入もこのような文化が大きかったのではない か、と危惧しているからです。日本文化の良い面、伝統として守るべき面を守りつつ、我が国でも自己責任で、活動できるような社会にしていかなければ、民主 主義は熟成しないのではないでしょうか。
 また、非核へのコミットメントですが、残念ながら「暗黙の了解」は国際社会では、通用しません。ま た、政府や産業界の公式見解も説得力をもって、迎えられていません。さらに、今の日本では非核へのコミットメントが確保されていても、将来については、不 透明であるとして記され始めています。今まで以上に、明確に意思表示をする必要があります。
 最後に、この運動は、日本の核武装疑惑を解くことだけが目的ではありません。日本発で、世界の科学者に参加を訴えていくことを目標にしています。(鈴木達治郎) 

反対意見 - どんな技術も兵器に転用であるかのような表現はおかしいのではないか。日本の科学者は平和利用にしか参加していないのに、このような運動はおかしいのでは。 

コメント - どのような技術が、兵器に転用可能か。これは、国際規制で明確に定義されている物もありますが、いわゆる「軍民両用(dual use)技術」については、国際政治的にも、規制が困難と言われています。そのような議論をここで進めることも重要ですが、私たちが最も訴えたい考えは、 「これは科学者/技術者自らが考えなければいけない問題ではないか」ということです。国際規制も、最後は科学者/技術者の意見に依存するのです。
 日本の原子力民生利用について言えば、兵器転用可能な技術/物質を多く扱っており、国際保障措置などにより、転用がおきていないことを監視しているのです。ここにも、科学者の判断が不可欠です。
 重要な政策決定に科学者(専門家)の果たす役割は、ますます重要になっています。誓約運動は、そのような責任ある立場に影響を与えうる科学者/専門家の自覚と責任をうながすのが大きな目的です。(鈴木達治郎) 

意見 - 誓約文の最後に、「それら大量破壊兵器に不可欠な物質の製造にも」一切参加しない、と付け加えるべきである。 

コメント - コメント-この問題は専門的な判断になりますが、御指摘の文を入れることにより、3番で指摘した、軍民両用技術の多くがカバーされることになり、署名が困 難になる人が大きく増えると推定されます。原子力民生用技術について、誓約運動は特定の立場をとりませんが、署名者数が、大幅に減少する可能性のある文は できるだけ避けたいと思っております。 ただし、御指摘の問題は、民生利用と核兵器との関係を考えるうえで、極めて重要な問題であることには賛成でありま すので、ホームページ上でも、議論ができるよう考えたいと思います。(鈴木達治郎)